「年収アップも叶うし、求人内容も自分にぴったり。これこそ運命の転職だ!」 そう確信して入社した40代の私が、なぜわずか90日で退職届を出すことになったのか。
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40代の転職には、20代・30代とは全く異なる「即戦力採用ゆえの罠」が潜んでいます。今回は、私の実体験をもとに、短期離職に至るまでのリアルな過程と、身体に現れた異変について赤裸々に綴ります。
【40代の転職失敗】完璧だと思った求人内容に潜む罠
求人を見つけた瞬間、「これこそ私のための仕事だ」と思えるほど、経験やスキルが合致していました。面接での手応えも十分で、希望通りの年収アップも提示されました。
しかし、今振り返れば、この「条件の完璧さ」が、現場の実態を直視する目を曇らせていたのかもしれません。40代の転職では、スペックの合致以上に「組織風土」との相性が重要なのだと思い知らされることになります。
入社直後に感じた「放置」と「冷ややかな人間関係」
初日の挨拶で感じた、配属先部署の冷ややかな空気。それは単なる気のせいではありませんでした。
経験者採用という名の「丸投げ」教育
数日間の研修が終わると同時に、私は午前・午後それぞれの担当業務責任者に据えられました。
- 午前: ほぼ独り立ち。午前中の業務が時間内に終わらず、リーダーに相談しても「昼休 みをずらしていいから、最後までやって」と言われるだけ。「助ける」という選択肢は彼らにはなく、労働時間を削って帳尻を合わせるのがこの職場のルールだったのです。
- 午後: パートさんのフォローを受けながらメインで動くが、教育体制は皆無。
40代の即戦力採用では、「教えてもらう」のではなく「いきなり成果を出す」ことが前提となり、十分なオンボーディング(受け入れ体制)がないまま現場に放り込まれるリスクがあるのです。
パートさんからの圧力
40代の中途採用にとって、現場を仕切るパートさんとの関係は生命線です。しかし、そこには強固な「ムラ社会」が存在していました。

あなたのために、みんなやってくれてるんだから!私はやらないけどね。

やってくれてるのは分かるし有難いけど、わざわざ言わなくても・・・

あなたのせいで、リーダーの退勤が遅くなっちゃうじゃない!

それはリーダーの問題では?っていうか新人の私のフォローはしてもらえないの・・・?
私が不在時にリーダーが手伝ったことをわざわざ報告し、精神的に追い詰めてくる。
「無視」と「犯人捜し」が常態化する、心理的安全性ゼロの職場
本来、40代の採用には「組織の活性化」や「マネジメントの改善」も期待されるはずです。しかし、この職場にはそれを受け入れる土壌が1ミリもありませんでした。
- リーダーAの徹底した無視: すれ違いざまの挨拶すら無視。
- リーダーBの冷笑: 業務の不明点を質問すると、無言で見つめ、鼻で笑うような態度。
- 係長の無責任な期待: 「ゆくゆくは彼らの上に立ってほしい」と理想だけを語り、現場のトラブル対応に追われる彼から具体的なサポートを受けることは一度もありませんでした。
さらに絶望したのは、「部内でこれまでなかったトラブルが起きると、新人の私のせいにされる」という文化です。原因究明よりも「誰が悪いか」を特定し、吊るし上げる。 業務の「目的」を聞いても「前任者がそうやっていたから」という答えしか返ってこず、改善の余地すら与えられませんでした。
そして、「慣れるまで我慢」という精神論では解決できない、組織としての歪みを強く感じるようになりました。
限界のサイン。コロナ欠勤と「血圧100」の衝撃
入社して2か月ごろ、過労とストレスからかコロナに罹患。3日間の欠勤を余儀なくされました。 強制的に会社から切り離されたその3日間で、ようやく冷静になれました。 「このままここにいたら、自分が壊れる」
休み明け、会社で受けた健康診断の結果が、私の決断を後押ししました。 今まで問題なかった下の血圧が、一気に100を超えていたのです。完全にストレスによる自律神経の乱れでした。「このままでは寿命が縮む!」心よりも先に、身体が「この環境は危険だ」と拒絶反応を示していたのです。
40代の短期離職。それは「逃げ」ではなく「防衛」
「せっかく年収アップしたのにもったいない」「3か月で辞めたら次がないかも」 「周囲の人からどんな目で見られるかと思うと恥ずかしい」そんな恐怖はもちろんありました。
しかし、40代にとって最も大切なのは「健康な体」と「働く意欲」です。 目的も共有されず、人格を否定されるような環境で、身を削ってまで守るべきキャリアなどありません。
私は、試用期間での離職を決意しました。


